近年話題になることの多い「アートメイク」ですが、具体的にどのような施術なのか知りたい方も多いのではないでしょうか。
アートメイクとは、専用の針で皮膚に色素を入れていく医療行為です。
通常のメイクとは違い、汗や水でも「落ちないメイク」として人気です。
今回はアートメイクの概要と、施術できる部位や施術方法をご紹介します。
あわせてアートメイクのメリット・デメリット、失敗例と対策方法も解説するので、アートメイクをご検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
アートメイクとは?刺青との違いも確認
アートメイクとは、皮膚のごく浅い部分(深さ0.02~0.03mmほど)に専用の針やマシンで色素を入れる施術のことです。
通常のメイクと違い洗顔や汗でも落ちないため、すっぴんでも眉やアイラインのメイクをしているかのように見せられます。
そのため、メイクの時短やマスクを外した後もリップが落ちないなどの効果があり、海やプールでもメイク落ちの心配がなく楽しめます。
アートメイクと刺青との違い
人間の皮膚は、外側から表皮・真皮・皮下組織という構造になっており、表皮は新陳代謝によって内側から外側へ次第に生まれ変わっていきます。
これを、ターンオーバーと呼んでいます。
アートメイクは表皮に色素を入れるため、ターンオーバーによって時間の経過とともに色素が体外へ排出され、次第に色が薄くなる点が刺青との違いです。
刺青は表皮よりさらに深い真皮に色素を入れるため、ターンオーバーで薄くなることはなく、半永久的に色素が残ります。
アートメイクの持続期間
アートメイクの持続期間には個人差がありますが、1~3年が平均です。
色が薄くなってきたときは、メンテナンスを行いデザインを整えるリタッチ施術をすることできれいに保つことができます。
アートメイクは医療機関でのみ行える医療行為
アートメイクは「専用の針を用いて、皮膚の表面に色素を入れる行為」として医師法の適用を受ける医療行為です(参考:医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて)。
そのため、アートメイクの施術は「医師、または医師の指示を受けた看護師」しか行うことはできません。
アートメイクを行うときは、美容サロンなどではなく美容クリニックなどの医療機関を選びましょう。
アートメイクを施術できる部位や方法
アートメイクが施せるのはどの部位なのでしょうか。
アートメイクを施術できる部位と、施術方法についてご紹介します。
アートメイクが施術できるのは、以下の部位です。
眉
眉は、アートメイクで最も人気の高い部位です。
「左右対称にうまく書けない」「汗でアイブロウがすぐに落ちてしまう」「眉毛が薄い」というお悩みをお持ちの方が、施術をすることが多いです。
アートメイクなら常に理想の眉でいられるため、メイクの時短にもつながります。
アイライン
アイラインのアートメイクは、すっぴんでも目を大きく見せたい方にぴったりです。
また、「アイラインを描くのが苦手」という方にもおすすめです。
リップ
リップは、色や形を理想に近づけることができます。
血色よく見せたり、ぷっくりとした立体感のある輪郭にする施術が人気です。
マスクを着用することで、普通のリップメイクだと口紅がマスクに付着してしまいますが、アートメイクはそのような心配がありません。
ヘアライン
ヘアラインは生え際に産毛のように毛を描き入れるアートメイクです。
おでこの広さが気になる方は、ヘアラインのアートメイク施術を受けることで小顔効果が期待できます。
生え際の形を整えると、前髪を上げたヘアスタイルにも挑戦しやすくなりますね。
番外編:ほくろ
目元や口元に、チャームポイントとなるほくろを描き足す施術も可能です。
ほくろをアイライナーなどで描くこともできますが、同じ位置に描き続けるのはなかなか難しいもの。
アートメイクなら1~3年は消えることがないのがメリットです。
アートメイクの施術方法
アートメイクの施術方法には、手彫りとマシンの2種類があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
手彫り
人の手で針が付いたペン型の器具を使って行う方法です。
1本1本毛並みを描き入れることができるため、
立体感のある自然な仕上がりになり、アートメイクと気づかれにくいメリットがあります。
また、力加減を微調整したり、グラデーションをつけたりしやすいため、細部までこだわりたい方におすすめです。
マシン
アートメイク専用のマシンを使用し、あらかじめ読み込ませたデザインを描く方法です。
以前は手彫りと比べて塗りつぶしたようになってしまいやすいものでしたが、最近のマシンは塗りつぶし感が減り、自然な仕上がりになることも多くなっています。
リップやアイラインの施術で多く活用されています。
また、眉を1本ずつ描き入れ、マシンでパウダー状に色素を入れるという「手彫りとマシンを併用する方法」もあります。
アートメイク施術の痛みやダウンタイム
気になるアートメイク施術時の痛みですが、「毛抜きで毛を抜いたときくらいの痛み」とよく表現されます。
痛みが気になる方は、施術の前に医師やスタッフに相談しましょう。
ダウンタイム(施術の傷が治るまでの時間)については、1週間程度とされています。
施術箇所が傷ついている状態と、色素が排出されやすい時期でもあるため、刺激を与えず、ワセリンなどの低刺激な保湿剤で保湿するなどケアを行うことも大切です。
ダウンタイム中は汗をかくような激しい運動やアルコール、入浴などは控えた方が良いでしょう。
アートメイクの価格
アートメイクの価格は美容クリニックやメニューによってさまざまです。
また、初めての場合は1回で定着しにくいため、2〜3回行うケースが多いです。
参考までに、眉であれば2回で12〜13万円程度、アイラインであれば2回で6〜9万円程度、リップであれば2回で13〜16万円程度が多いようです。
ヘアラインについては一部か全体かでも差がありますが、2回で10〜20万円程度がだいたいの相場となっています。
価格帯はクリニックによって様々ですが、価格だけでなく安全面やデザイン性も重視して選ぶことをおすすめします。
当クリニックの価格は以下にて記載しています。
アートメイクのメリット・デメリットは?
後悔のない施術にするためにも、アートメイクのメリットとデメリットを把握しておきましょう。
アートメイクのメリット
アートメイクをするメリットは、主に以下の3点です。
・メイクの手間が減る
・メイクのデザインが安定する
・すっぴんに自信が持てる
眉メイクはペンシルやパウダー、さらに眉マスカラなど工程が多く、「正直めんどうだな…」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
アートメイクなら、朝や化粧直しのメイクの手間がぐっと減ります。
また、セルフメイクだと日々同じような仕上がりを保つのが難しいですが、アートメイクなら理想のデザインを毎日保てます。
常に思い通りの眉やリップでいられるので、すっぴんに自信が持てるようになるでしょう。
また、アートメイクは時間の経過とともに薄くなるので、その時々に合わせてトレンドのメイクにリタッチすることも可能です。
アートメイクのデメリット
アートメイクのデメリットは、主に以下の3点が挙げられます。
・1~3年は色が残る
・施術者により仕上がりが左右される
・ダウンタイムがある
肌のターンオーバーによって色素は次第に排出されますが、1~3年は除去施術を行わない限り定着しています。
過去に入れた眉やリップのアートメイクデザインを変えたい場合などは、除去することもできます。
また、手彫りの場合は施術する人の技術で仕上がりが左右されることがあります。
施術担当者の技術力によってグレードを設定している美容クリニックもあるので、信頼できると思った人に施術してもらうようにしましょう。
また、先ほどもお話ししたとおり、アートメイクは肌に針で傷をつけていくため、肌が回復するまでに1週間ほどのダウンタイムがあります。
アートメイクで考えられる失敗例や対策もご紹介
アートメイクで起こり得る失敗例と対策方法を把握して、後悔のない施術にしましょう。
失敗例①痛みや腫れが続いた
アートメイクを施した部位の痛みや腫れが引かなかったり、化膿したりする健康被害の報告が寄せられているとして、国民生活センターが注意喚起を行っています。
国民生活センターによると、「アートメイクに関する危害の95%は、サロンなどで医師免許を持っていない者が行った施術である」とされています(参考:独立行政法人国民生活センター「アートメイクの危害」)。
対策方法
アートメイクを受けるときは、必ず医師のいる美容クリニックなどの医療機関を選びましょう。
万が一痛みやかゆみがなかなか引かない場合でも適切な処置が行えます。
失敗例②思っていた仕上がりにならなかった
「思っていたのと違う!」というデザイン面での失敗には、下記のようなケースが考えられます。
・眉が太すぎる
・眉が濃すぎる
・リップの輪郭が思い通りでない
対策方法
デザインでの失敗を防ぐためには、知識や技術を持っているスタッフを選び、希望のイメージをしっかり伝えることがポイントです。
具体的に希望のイメージがある人は、画像を見せるとイメージのすり合わせがしやすいでしょう。
抗がん剤の脱毛時に最適なアートメイクの準備方法と施術可能箇所
抗がん剤の副作用で起こってしまう脱毛ですが、アートメイクをすることでカバーできます。
以下では、前もって準備すべきことや、施術可能場所について解説しています。
アートメイクとは一定期間落ちないメイク!信頼できる医療機関で
アートメイクとは、肌のごく浅い部分に専用の針で色素を入れていく施術のことです。
肌のターンオーバーによって次第に色素が体外に排出されるため、持続期間は1~3年ほどとされています。
アートメイクができる部位は、眉やリップ、アイラインなどで、メイクの時短になったり、すっぴんに自信が持てたりするというメリットがあります。
医療機関でない美容サロンなどでアートメイク施術を受けることは、痛みや腫れが続くなど健康面での危険性があります。
アートメイクは信頼できる美容クリニックで、しっかりカウンセリングを受けてから施術してもらうようにしましょう。
札幌ル・トロワ ビューティクリニックVogueのスタッフです。
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